再建築不可物件は売れる?相場と4つの売却方法、やってはいけないことをFPが解説

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「親から相続した実家が、建て替えできない土地だと言われた」「不動産会社に相談したら、売るのは難しいと断られた」。再建築不可の家を持っていて、どうしたらいいか困っている方は少なくないのではないでしょうか。

再建築不可物件は、建て替えができず、買い手が住宅ローンも組みにくいため、普通の家より売りにくいのは事実です。それでも、仕組みを知らずに空き家のまま放置したり、よかれと思って解体したりすると、税金が上がったり、かえって売れなくなったりすることがあります。

本記事では、再建築不可になる原因と調べ方を整理したうえで、相場の目安と4つの売却方法を解説します。あわせて、売り先の選び方や、売る前にしてはいけないことまで紹介します。

読み終えるころには、自分の物件がなぜ再建築不可なのか、そして誰に・どの方法で売ればいいかを判断できるようになります。

結論からお伝えすると、再建築不可物件は「原因を役所で確認し、隣地の所有者と専門の買取業者の両方に声をかけ、建物は残したまま査定を受ける」のが、損をしにくい進め方です。

※本記事はプロモーションを含みます。相場は目安であり、実際の価格は物件の条件や地域によって大きく異なります。個別の判断は不動産会社や自治体の窓口、専門家にご確認ください。

1. 再建築不可物件とは|売りにくい理由と原因の調べ方

1-1. 再建築不可物件とは「今の家を壊すと、新しく建てられない物件」

再建築不可物件とは、建築基準法のルールにより、今ある建物を取り壊しても新しい家を建てられない物件のことです。

三井のリハウスの解説によると、主な原因は次の2つです。

  • 接道義務を満たしていない:建築基準法第43条では、家を建てる敷地は原則として「幅4m以上の道路に2m以上接していなければならない」とされています。
  • 市街化調整区域にある:市街化を抑える区域のため、原則として建物の再建築ができません。

古い住宅地には、こうしたルールができる前に建てられた家が多く残っています。今は住めていても、建て替えのタイミングで「建てられない」とわかるケースが少なくありません。

1-2. 売りにくい3つの理由

再建築不可物件が売りにくいのは、買い手にとって使い道とお金の面で制約が大きいからです。

  1. 建て替えや大規模な改修ができない:小規模なリフォームはできますが、建築確認が必要な工事はできません。
  2. 買い手が住宅ローンを組みにくい:金融機関が担保としての価値を低く見るため、買える人が現金で買える人や投資家に限られます。
  3. 2025年4月の法改正で、リフォームのハードルも上がった:SUMiTASの解説によると、建築確認を省略できる範囲(いわゆる4号特例)が縮小され、木造2階建てなどの大規模なリフォームにも建築確認が必要になりました。再建築不可物件は建築確認が下りないため、大規模リフォームで再生する道が狭くなっています。

1-3. まずは「なぜ再建築不可なのか」を役所で確認する

売却の第一歩は、再建築不可の原因をはっきりさせることです。原因によって、取れる手段や価格が大きく変わるからです。SUMiTASの解説では、原因を次の3タイプに分けています。

タイプ 状態 解消できる可能性がある方法
A. 道路の幅が足りない 幅4m未満だが、建築基準法上の道路(42条2項道路)に接している セットバック(敷地を下げて道路幅を確保する)
B. 道が法律上の道路と認められていない 位置指定を受けていない私道などに接している 43条2項の認定・許可、道路の位置指定の申請
C. 間口が足りない・道路に接していない 道路に接する幅が2m未満、または接していない 隣地の一部の購入、隣地への売却

確認先は、市区町村の建築指導課などの窓口です。前面の道が建築基準法上の道路かどうか、接している長さはどれくらいかを聞きましょう。登記簿や見た目だけでは判断できないので、必ず役所で確認することが大切です。

2. 再建築不可物件の相場の目安

2-1. 一般的には通常物件の5〜7割程度

再建築不可物件の売却価格は、同じエリアの普通の物件の5〜7割程度が目安とされています。三井のリハウスの解説でも、一般的な物件より安く、5〜7割程度の価格で成約することが多いと紹介されています。

ただし、条件によってはさらに安くなります。SUMiTASが国土交通省の取引データを分析したところ、前面道路が4m未満の土地は4m以上の土地の約52%、さらに間口が2m未満の土地では約33%という結果でした。

2-2. 価格を左右するポイント

マーキュリーの解説によると、再建築不可物件の価格は一律の割合ではなく、次のような点を総合して決まります。

  • 再建築不可の原因と、接道を改善して解消できる可能性
  • 43条2項の認定・許可を受けられる可能性
  • 建物の状態と、修繕して使えるかどうか
  • 立地と賃貸の需要
  • 私道の通行・掘削の承諾、境界や越境の有無
  • 隣の土地と一体で使ったときの価値

つまり、「再建築可能にできる見込みがあるか」と「建物がまだ使えるか」が、価格を大きく分けるポイントです。

3. 再建築不可物件の売却方法4つ

3-1. 4つの方法の比較

再建築不可物件の売り方は、大きく分けて次の4つです。

売却方法 価格 スピード 向いているケース
① 再建築可能にしてから売る 高 遅い セットバックや隣地の購入で条件を満たせる
② 隣地の所有者に売る 中〜高 交渉次第 隣の人が土地を広げたい、一体で使いたい
③ 専門の買取業者に売る 低〜中 早い 早く現金化したい、現状のまま手放したい
④ 仲介で一般の買い手を探す 中 遅い 時間をかけてもよい、投資家の需要がある立地

3-2. ① 再建築可能にしてから売る

接道の条件を満たせれば、普通の物件に近い価格で売れる可能性があります。主な方法は次の3つです。

  • セットバック:敷地の一部を後ろに下げて、道路の幅4mを確保します。下げた部分は道路として扱われ、自由には使えません。
  • 隣地の一部を買う・借りる:間口を2m以上に広げる方法です。
  • 43条2項の認定・許可:一定の条件を満たすと、特定行政庁が個別に再建築を認める制度です。基準は自治体ごとに異なり、過去に認められた例があっても同じ結果になるとは限りません。

費用や時間がかかるうえ、隣の人の協力が必要なことも多いため、まずは役所と不動産会社に「再建築可能にできる見込みがあるか」を確認しましょう。

3-3. ② 隣地の所有者に売る

隣の土地の持ち主は、再建築不可物件のいちばん有力な買い手候補です。隣の人にとっては、土地を広げて使いやすくしたり、一体で価値を上げたりできるメリットがあるためです。

SUUMOの解説でも、売却を考えるときは、まず接道義務を満たしている隣地の所有者に相談することが勧められています。ただし、売り急いでいることが伝わると交渉で不利になることもあるため、不動産会社に間に入ってもらうのも一つの方法です。

3-4. ③ 専門の買取業者に売る

早く確実に手放したいなら、再建築不可物件を専門に扱う買取業者への売却が現実的です。

SUUMOの解説によると、買取なら早ければ1か月以内に代金を受け取れることもあります。古い建物や家財が残ったままでも、現状のまま買い取ってもらえる場合があります。一方で、価格は仲介より低くなる傾向があります。

業者によって得意分野や査定額が大きく違うため、必ず複数の業者に査定を依頼し、金額だけでなく根拠も説明してもらうことが大切です。

3-5. ④ 仲介で一般の買い手を探す

不動産会社に仲介を頼み、市場で買い手を探す方法です。うまく買い手が見つかれば、買取より高く売れる可能性があります。

ただし、SUUMOの解説にあるように、再建築不可物件の買い手の多くは、現金で買える投資家です。投資家は家賃収入で利益が出るかを基準に判断するため、売れるまでに時間がかかったり、値下げが必要になったりすることがあります。

4. 再建築不可物件を売る前にしてはいけないこと

4-1. 先に建物を解体しない

「古い家を壊して更地にしたほうが売れそう」と考えるのは、再建築不可物件では逆効果です。

更地にすると、新しい家を建てられない土地になり、使い道がさらに狭まります。また、建物があれば受けられる固定資産税・都市計画税の「住宅用地の特例」が外れ、税金が大きく上がることもあります。解体するかどうかは、建物を残したまま査定を受けてから判断しましょう。

4-2. 高額なリフォームを先にしない

売る前にきれいにしたくなりますが、マーキュリーの解説によると、工事費がそのまま売却価格に上乗せされるとは限りません。また、買い手の多くはリフォームの内容を自分で決めたい投資家です。まずは現状のまま査定を受け、工事をする場合としない場合の手取りを比べましょう。

4-3. 不具合を隠して売らない

雨漏り、シロアリ、傾きなど、わかっている不具合は必ず不動産会社に伝えましょう。売った後に契約内容と違う問題が見つかると、売主が「契約不適合責任」を問われることがあります。買取では責任を免除する特約を付けることもありますが、業者に売れば自動的に免責になるわけではないので、契約書で範囲を確認することが大切です。

4-4. 空き家のまま放置しない

使っていない再建築不可物件を放置すると、建物は年々傷み、価値も下がっていきます。さらに、管理が行き届かず「特定空家」や「管理不全空家」に指定されて勧告を受けると、住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がる可能性があります。

いつか売るなら、建物がまだ使えるうちが一番条件の良い売り時です。

借地の上に建っている再建築不可の家を相続した場合は、「借地権を相続したらどうする?手続き・相続税・4つの選択肢をFPが解説」もあわせてご覧ください。

5. まとめ|再建築不可物件は「原因の確認」と「売り先の比較」から始めよう

再建築不可物件は、売りにくいものの、売れないわけではありません。最後に、売却を進める前に確認したいポイントをチェックリストで振り返りましょう。

  • ✅ 役所の建築指導課などで、再建築不可の原因(道路の種類・幅・接道の長さ)を確認した
  • ✅ セットバックや43条2項の許可などで、再建築可能にできる見込みがあるか相談した
  • ✅ 隣地の所有者に、買い取りの意向があるか確認した
  • ✅ 再建築不可物件に強い買取業者など、複数の会社に査定を依頼した
  • ✅ 建物は解体せず、高額なリフォームもしないまま査定を受けた
  • ✅ わかっている不具合を整理し、不動産会社に伝える準備をした

まず取り組みたいのは、役所で原因を確認したうえで、隣地の所有者と専門の買取業者の両方に声をかけることです。売り先を比べることで、相場から大きく外れた安値で手放すリスクを減らせます。

よくある質問

Q. 再建築不可物件でも住宅ローンは使えますか?
A. 一般的な住宅ローンは使いにくいとされています。金融機関が担保としての価値を低く見るためです。そのため、買い手は現金で買える人や投資家、専門の買取業者が中心になります。

Q. 再建築不可物件は、解体して更地にしたほうが高く売れますか?
A. 多くの場合、おすすめできません。更地にすると新しい家を建てられない土地になり、使い道が狭まります。固定資産税の住宅用地の特例が外れて、税金が上がることもあります。まずは建物を残したまま査定を受けましょう。

Q. 相続した再建築不可物件は、相続放棄したほうがいいですか?
A. 相続放棄をすると、その物件だけでなく、預貯金などすべての財産を受け取れなくなります。放棄するかどうかを決める前に、買取業者などに査定を依頼して、売れるかどうかを確認してみるのがおすすめです。

Q. 不動産会社に「売れない」と断られました。
A. 一般の不動産会社の中には、再建築不可物件の扱いに慣れていないところもあります。再建築不可物件を専門に扱う買取業者や、取り扱い実績の多い会社に相談すると、買い取ってもらえる場合があります。


参考にした情報源

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